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空想科学『かいじゅうのすみか』プロジェクト

空想科学『かいじゅうのすみか』プロジェクト ②

『TSUBURAYA IMAGINEERING』が実現する新たな世界

取材・構成:秋廣泰生

 これまで長期にわたって紹介してきた絵本版『かいじゅうのすみか』が、いよいよ発売となりました。すでに手に取ってご覧くださった方々もいらっしゃると思いますが、最後のページを閉じても、冒険の旅は終わりではありません。これまでも概要を紹介してきた『体感エンターテイメント かいじゅうのすみか』の最新情報が、一気に発表となりました! そこで今回は、気になる情報の数々をボリュームアップで紹介していきたいと思います。

 まず最初に紹介するのは『かいじゃうのすみか』の原作の世界観をイメージした楽曲の誕生です。モチーフの作曲は『ウルトラセブン』や『帰ってきたウルトラマン』をはじめ、数多くのウルトラマンシリーズや円谷プロの作品で音楽を担当し、“ウルトラ音楽の父”とも称される冬木透さん。そして“ニュージェネレーションウルトラマン”たちの音楽を多数手掛けている小西貴雄さんとの、まさにレジェンドとニューウェーブの音楽家の共作曲となっているのが特徴です。

 その曲想は…好奇心あふれる少年が未知の世界へ足を踏み入れる様子から始まり、様々なかいじゅうたちと出会い、そして、いくつかのかいじゅうと心を通わせていく展開をベースに、冬木さんのウルトラ/円谷作品系音楽には珍しい、3拍子のファンタジックなモチーフによって表現されています。冬木さんの音楽は、かの“ワンダバ”に代表される勇壮な名曲が多数ありますが、優しく美しく、心を温かく包み込む様な音楽も数多いのは、もはや説明不要でしょう。令和時代に冬木さんの新曲が生まれ、世に流れることは、円谷作品のファンだけでなく、音楽ファンにもとっても聴き逃せないポイントです。
 この音楽は、今後『かいじゅうのすみか』を取り巻く様々な場面で耳にする機会が設けられていきますので、どうぞ楽しみにしていてください!

 そして『かいじゅうのすみか』を、円谷プロが来る2020年を目指したフォーカス・ポイントのひとつとして位置付け、円谷プロのあらゆるクリエイティブの源泉である〈デザイン〉〈エンジニアリング〉〈テクノロジー〉など、あらゆる機能の概念を司(つかさど)るキー・ワードとした『TSUBURAYA IMAGINEERING』が提唱されました。

 これは映像作品はもちろん、イベントやライブショーでのステージ演出・技術、アトラクションの内容、ストーリーの開発、そして全てにまつわるアートワーク…など、これまでの円谷プロを支えてきた創作手法の運用だけでなく、次の時代を見据えたイマジネーションを支える技術の研究開発に、積極的に取り組み実現していく、そのための中心の核となるものです。

 ここには2つの思いが込められています。まずひとつは、円谷プロの創業者である円谷英二監督の生前のメッセージを、50年以上前の言葉ではなく、今を開拓していくための在り方として、改めて受け止めていこうという考えです。

「観ている人に驚きを与え その驚きを糧に 平和や愛を願う優しさを そして未来に向かう希望を育んでもらいたい」 円谷英二

 その一環として、円谷プロの作品第1作『ウルトラQ』から、第1話「ゴメスを倒せ!」に敬意を表し、ゴメスとリトラの激闘を最新技術で生き生きとダイナミックに表現する試みが始まり、年末に開催される『TSUBU-CON』のイメージリーダーとして披露するべく進められています。
 そしてもうひとつは〈パートナーシップ〉です。円谷プロは、円谷英二監督の思いに共感した多くの人々が結集して生まれた組織であり、別の見方をすれば、人の持つ感性や技術の集合体であると言い換えられます。
 今回『かいじゅうのすみか』では、円谷プロが主にスタッフルームや撮影現場のインドア型創作が開拓してきたコンテンツ力に、大規模空間で一度に多くの人々を魅了する体感型の創作で支持を集めるチームとの協力なタッグが実現しました。
 それが、全く新しい怪獣体験を可能にする、パナソニック株式会社さんの“空間を創り出す映像技術”の数々です。みなさんも、いつも見馴れた建物や場所、ステージなどに映像が投影されて、建物や場所の色や形がみるみる変わっていったり、何のヘンテツも無い舞台に、想像もしなかった夢の空間が現れたりする「プロジェクションマッピング」の技法をご存じと思います。目の前で奇跡の様な光と色と形の乱舞の数々を体験された方も、大勢いらっしゃることでしょう。
 パナソニックさんは国内はもとより、海外でもテーマパークやアリーナ、スタジアムなどでの大規模なプロジェクションマッピングのショーを成功させて、世界中の人々から拍手喝采を受けている、この分野の第一人者です。

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