TEXT SIZE

標準
『ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE』特別鼎談

——ゼロに関しては、品田さんが試行錯誤されたとのことですが。

品田 特に苦労したのは顔ですね。ウルトラマンの顔は、横や斜めから見たときにカッコいいのは当たり前として、割と正面近くから見上げたときにボロが出やすいんです。人間の顔も正面から煽り見ると、鼻の穴が見えたり、眉や頬の凸が目立って、ファニーな印象になるんですけど、初代ウルトラマンにしてもセブンにしても、そこは実に巧みに作られているんですね。その破顔しがちなところを、ゼロでは何度も何度もやり直しました。仕上げに近くなると、アシスタントに任せるのですが、「そこ、もうちょっと削って」「逆に少しだけ膨らませて」と、ホントに微妙なところですが、アシスタントが辟易するまで粘りました。

——バルタン星人に関しては、近年、造形されたものになるのでしょうか。

澗淵 ええ。ちょうど『ウルトラマンサーガ』の撮影をやっている頃のタイミングでしたかね。

品田 現行品で、もっともオリジナルに近い完成度を目指そうと取り組んだものになります。スーツ自体は、『ウルトラマンマックス』に登場したダークバルタンの改造ですが、頭部は全く新しく作り起こしています。それも故事に倣い、最初に粘土原型でセミ人間を作り、それを型取りしたものに盛っていくことで原型を仕上げていきました。左右の歪みまで再現しないと、バルタン星人らしくならないんですよね。そこはかなりの時間を費やしました。

——そうして作られた3体ですが、胸像としてリリースする上でのポイントをお聞かせください。

澗淵 実際に生産するに当たっては、エイリアンやプレデターなどの撮影に使用されたプロップより、1/1バストモデルなどの忠実なレプリカ商品で国内外でも定評のある「CoolProps」へ協力をお願いし、素材選定に関しては、オリジナルと同等の表現をし得る素材を検討してもらっている段階です。後は、多少なりとも動きのある胸像にしたいと思っていまして、オリジナルではウエットスーツ素材となるゼロやベリアルの首から胸部にかけては、皺をデータ上で付けていて、実際の胸像にも反映される予定です。

——ベリアルは前傾姿勢も特徴ですが、胸像としても、そこは再現されるのでしょうか?

澗淵 ええ。ゼロやバルタンは素立ちですが、ベリアルはそれを再現しないと「らしさ」がありませんからね(笑)。ただ、当初、想定していた通常の円錐形の台座だと、重心の問題で倒れてしまうので、台座の前部を少し延長することで、安定した状態を保つことができるようになりました。

——素材感でいえば、FRP製の硬質なマスクのゼロやベリアルと異なり、元が軟質素材のバルタン星人などは再現度が気になるところです。

品田 素材自体は硬いものになりますが、顔の周囲を覆うコブ状の部分や肩は皺を入れてもらっています。特に下のコブは横に折れ皺があり、そういった細かい部分にも注目してもらえればと思います。それとバルタン星人の頭部は微妙な角度で前に傾いているのですが、実は先ほどお話した原型を作った際には、垂直に立った状態で作っていて、実際にキャラクタースーツにした際に傾くことで遠近が付いてしまい、頭部のV字が大きく見えてしまったんです。それでV字の上を削ったため、本来V字のスリットが10個あるところ、9個しかないんですね。従って、現在稼働しているキャラクタースーツは、スリットが9個なのですが、今回、商品化される際には、オリジナルと同様の10個に直してもらいました。

——目に関しては電飾が入るのでしょうか?

澗淵 ええ。3体とも入れる予定になっています。ゼロとベリアルに関しては、ちょうどLEDを使い始めた時期だったんですよね。特にベリアルは通常のウルトラマンよりも遥かに目が大きく、5~6倍のLEDが入っています。

品田 しかも10年前は、LEDが今よりずっと高価でした(笑)。

澗淵 ただ、以前のような電球だったら、端まで光らせるのは難しかったでしょうね。

品田 スーツの場合は人が入る前提ですが、今回は内側のスペースを考えずに光源を入れられるので、その辺りの再現は意外といけそうな気がしています。

澗淵 それを思うと、我々もどうなるかとても楽しみですね。