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第7回「かいじゅうのすみかテーマ曲」

鈴木俊太郎の円谷音楽館
第8回「音楽CDができるまで」

鈴木俊太郎

皆さん、こんにちは。
さて今回は、かなりマニアックなお話を書こうと思います。もしかすると、ちょっとだけ音楽を聴く意識が変わるかもしれませんよ。それでは最後までお付き合いください。今回のテーマはマスタリングです。

レコーディング、トラックダウン、そしてマスタリング

 作品の音楽を作るパターンは大きく2つあります。
 まず映画の場合は、既に映像制作が進行していて、その映像に音楽を当てはめます。つまり、●分●●秒●●F(フレーム)から●分●●秒●●F(フレーム)まで、たとえば「ウルトラマンと怪獣が戦うシーンでウルトラマンが劣勢」など映像に合わせて細かな指示が入るパターンです。
 もうひとつが、主にテレビシリーズの場合で、楽曲を作る時点では映像は存在しておらず、脚本のプロット、キャラクターの設定、デザインをもとに、制作プロデューサー、監督とのディスカッションでイメージを固めて作曲に入るパターンです。
 「かいじゅうのすみか」は、完全に後者のパターンでした。映像に音楽をはめていく作業も楽しいですが、新しい世界観をゼロから作り上げるのも素晴らしい作業です。新しい世界観なのですが、実はメッセージとして「ウルトラQ」から始まる歴代全作品に共通するテーマの表現でもありました。ですから、作曲家は、ウルトラマンシリーズの根底に流れるテーマを音で表現するのに最も相応しい「ウルトラ音楽の父」と呼ばれる冬木透さん(以下冬木先生)にお願いすることにしました。小西貴雄さんとの共作曲ということでご快諾を頂き、制作に入ることになったわけです。現在、円谷プロダクションが使用しているサウンドロゴ(作曲:冬木透 編曲:小西貴雄)を作ったお二人ですから、コンビネーションには何の心配も要りませんでした。