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『ウルトラQ』Episode 19「2020年の挑戦」

『ウルトラQ』エピソードガイド
第1回 Episode 19「2020年の挑戦」

氷川竜介

氷川竜介 ひかわ・りゅうすけ

1958年兵庫県生まれ。明治大学大学院 特任教授。東京工業大学卒業後、メーカー勤務を経て2001年に文筆家として独立。文化庁メディア芸術祭審査委員、毎日映画コンクール審査委員、東京国際映画祭プログラミング・アドバイザーなどを歴任。主な編著等:「20年目のザンボット3」(太田出版)、「日本特撮に関する調査報告書」(文化庁)、「ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ」(カラー)など。

解説

 放送第16話「ガラモンの逆襲」に続く侵略テーマの作品である。登場するケムール人は後に「ウルトラマンシリーズ」における「宇宙人像」へ多大なる影響をあたえた。
 航空自衛隊の哨戒機3機が「空飛ぶ円盤」としか思えない未確認飛行物体を前にして、見えない壁に衝突したかのように爆破、消失する事件が発生する。指揮官の天野二佐は責任追求の結果、辞任した。その時から、突如として人間が消えてしまうという怪事件が発生し始めた。ある者は飛び込み台からプールへジャンプした直後に消え、ある者は飲み物入りのコップだけを残して消えてしまう。そしてカメラマンの江戸川由利子もまた、ゴーカートに乗ったモデルを撮影中に、人間消失事件に遭遇した。

 この一連の消失事件では、直前に粘性の高いドロドロとした液体が現れ、被害者へ迫っていく。それに触った人間は停止したままネガ像となって消えてしまう。今回のオープニングには「ソラリゼーション」というポジ像とネガ像を少しズラして重ねる効果が用いられているが、それは現実世界と消失事件を重ねたものの暗喩だったのだ。

 関デスクに報告したものの、取りあってもらえなかった由利子は、万城目淳に相談しに行く。淳は友人の天野とともに円盤事件の現場へ出かけるところだった。ところがセスナで飛行中の淳もまた、謎の液体に触れて事件の犠牲者となってしまった。さらに毎日新報社内の現像室で助手の友田が消され、由利子の身代わりとなった同僚も目の前で消えていった。由利子の写真で怪事件の証拠を得たデスクは、社会部に目撃者の証言取りを指示すると同時に、警視庁へ由利子の護衛を依頼した。ところがやってきたのは、頼りになりそうにもない老刑事の宇田川であった……。