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円谷怪獣のひみつ

円谷怪獣のひみつ

切通理作

(撮影・杉本晋一)

切通理作 きりどおし・りさく

1964年、東京都生まれ。文化批評。『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』『怪獣少年の<復讐> 70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)『山田洋次の<世界>』(ちくま新書)『ポップカルチャー・若者の世紀』(廣済堂出版)『失恋論』(角川書店)ほか多数。『宮崎駿の〈世界〉』(現ちくま文庫)でサントリー学芸賞受賞。2013年12月より、日本映画批評メルマガ『映画の友よ』(夜間飛行)を配信中。それが昂じて初監督作品『青春夜話 Amazing Place』(アルバトロスよりDVD化)、責任編集の雑誌『シネ★マみれ』を作る。

第1回 「怪獣、それは巨大なもの」

巨大になるということ

 古い記録によると巨石文化時代の人類は身の丈18メートル。
 身の幅が5メートルもあったという。
 現代の人類はいつから、そして誰の手によって
 どういう理由で小さくなったのか。
 それは、まだ謎のままである。
 (『ウルトラQ』第17話「1/8計画」ラストのナレーションより)


 現代(放映当時)の都会で、横断歩道を行き来する人々の映像に、このナレーションが被さる。『ウルトラQ』の再放送でこのナレーションを聴いた時、小学校二年生の私は、なんともいえない不安に包まれた。
 「1/8計画」のストーリー自体は、人間を8分の1に縮小する人口対策が描かれるが、最後それは夢だったことがわかるというものだった。ところがこのナレーションは、夢から覚めた後、さらに不安にさせる。
 いまの自分の大きさはたまたまのものであって、事情が違えば、変化してしまう……『ウルトラQ』には、「巨大化」をめぐる物語が多かった。
 第8話「甘い蜜の恐怖」ではモグラ、第2話「五郎とゴロー」では猿が巨大化、第22話「変身」では人間が巨大化した。
 第3話「宇宙からの贈りもの」のナメゴンや、第24話「ゴーガの像」のゴーガのように、だんだん大きくなっていくものもあった。ナメゴンは卵のまま膨らんで、ゴーガは生まれてから大きくなる。第26話「燃えろ栄光」のトカゲ状の生物ピーター(学名アリゲトータス)は、周囲の温度で大きくなったり、小さくなったりする。
 当然、大きくなっていくということそのものが映像の見せ場にもなり得る。
 「ゴーガの像」の、貝の姿をしたゴーガは、生まれたばかりの時には人間の頭ほどの大きさだが、人間と同じ大きさになり、やがては建物を突き破るほど巨大な姿になる。
 特にこの回は、その成長過程が丁寧に視覚化されている。
 下の写真は、まだ小さなゴーガが人間との対比でわかる。

 次の写真は、人間から見下ろされる程度に大きくなったゴーガ。

 次は、人間よりも触角の位置が高くなっている。