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円谷の本棚から
第10回「さよならミラーマン」
(大洋図書刊)

『ミラーマン』の
研究書といえる一冊

今より少し昔。
多くの特撮ファンにとって、“紙の本”はとても重要かつ、心ときめくアイテムでした。
そんな古き良き時代に、ファンの心を揺さぶり、魂の渇きを癒してきた“本”に焦点を当てていく「円谷の本棚から」。第10回は、円谷プロダクションの作品を語るうえで抜きには出来ない名作の主演俳優さんが書いた書籍を取り上げます。

「さよならミラーマン」。著書は石田延之さん。1971年12月から放送を開始した円谷プロダクション製作の巨大変身ヒーロー作品『ミラーマン』で、主人公・鏡京太郎を演じた俳優さんで、この本を出す際に「延之(のぶゆき:読みは同じ)」に改められていました(そのことが書籍の表紙にも記されています。後に、元の「信之」に戻されています)。いずれにせよ、『ミラーマン』の主演俳優である石田さんご本人であることは変わりません。
この書籍は、そんな『ミラーマン』のことを熟知している石田さんが『ミラーマン』全話の撮影を振り返っての撮影当時を思い返す部分に、当時作品制作に関わられたスタッフとの対談や、ご自身の半生を振り返る部分をプラスし、最後にご自身の発案・執筆に基づくオリジナル小説を載せているものです。作品のことやご自分の過去を振り返っている点から見れば自伝と呼べる部分もあり、『ミラーマン』を思わせる部分が非常に多いオリジナル小説を含めてみれば、『ミラーマン』のムック、ひとつの研究書といった趣(おもむき)も見出せる書籍なワケです。