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円谷の本棚から
第11回「ウルトラQ」
(マンガショップ発行/パンローリング発売)

映像作品の
コミカライズの原点

今より少し昔。
多くの特撮ファンにとって、“紙の本”はとても重要かつ、心ときめくアイテムでした。
そんな古き良き時代に、ファンの心を揺さぶり、魂の渇きを癒してきた“本”に焦点を当てていく「円谷の本棚から」。第11回は、記録媒体のない時代に多くの子供たちの心の友となった“漫画”、今もなお続く映像作品のコミカライズの原点に迫ります。

毎度毎度こんなことを言っているような気がしますが、まぁ、おじさんの繰り言と思ってお付き合いください。今から半世紀以上前、ウルトラマンシリーズが始まる以前、テレビで放送される番組は、放送局が何らかの方法でアーカイブするなどの特殊な事例を除き、一般の視聴者にとっては保存して残すということは出来ず、一過性のもの、まさに一期一会のものでした。結果的に、いま現在視聴することが叶わないテレビ番組が存在していることは、皆さんもご存知の通りです。楽しみにしているテレビ番組の、その一期一会を逃さないために、友達と遊ぶのを早く切り上げたり、学校が終わったら光りの速さで帰宅したり、あえて積極的に「帰宅部に所属する」(笑)など、努力を重ねた皆さんも多くいらっしゃることでしょう。後の世、録画機能を備えたビデオプレーヤーが、そして様々な映像作品を収録した映像ソフトが急速に普及したのもムベなるかな…と思う次第です。いやぁ、ノストラダムスの大予言が的中して死ぬ、30歳代後半以降の人生などというものはないのだなぁ…と子供の頃に固く信じていた筆者などは、「4Kクオリティで『ウルトラQ』で視聴可能で、映像ソフトとして所持が出来る!」なんていうのは、今は一体どんな未来世紀なのかと驚嘆せずにはいられないほどで、隔世の感もひとしお…といったところです。そういう言っているうちに、2020年ですよ。自分が生きていないだろうと思うほど先の未来の数字として(ケムール人のエピソードの脚本&監督を務めた)飯島敏宏監督が想定した時代まで来ちゃったんですよ、我々は。