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円谷怪獣のひみつ

円谷怪獣のひみつ
第16回 <さかさまの世界>での、戦いの意味

切通理作

(撮影・杉本晋一)

切通理作 きりどおし・りさく

1964年、東京都生まれ。文化批評。『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』『怪獣少年の<復讐> 70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)『山田洋次の<世界>』(ちくま新書)『ポップカルチャー・若者の世紀』(廣済堂出版)『失恋論』(角川書店)ほか多数。『宮崎駿の〈世界〉』(現ちくま文庫)でサントリー学芸賞受賞。2013年12月より、日本映画批評メルマガ『映画の友よ』(夜間飛行)を配信中。それが昂じて初監督作品『青春夜話 Amazing Place』(アルバトロスよりDVD化)、責任編集の雑誌『シネ★マみれ』を作る。

シリーズ終盤の独特な展開

 『ウルトラセブン』の最終9本では、ウルトラ警備隊の訓練途上で起きる事件や、要人の護衛、重要物件の輸送といった、『セブン』の一つの特徴だった「ミッション」上のエピソードは見られなくなっている。
 終盤戦は、最終回を前にして、ある方向性に向けて進んでいっているように思える。
 まず、民間人目線のエピソードが多い。たとえば第41話においては、いつものウルトラ警備隊メンバーが顔を見せるのは、番組開始後8分も経ってからである。
 そして、視聴者に対して、何が本当で何が嘘かを問うような<さかさまの世界>の提示が積極的になされるようになった。
 まず例によって、41~49話(最終回)までの、侵略宇宙人の目的・手段を挙げてみよう。