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『ウルトラQ』エピソードガイド<br>第2回 Episode16「ガラモンの逆襲」

『ウルトラQ』エピソードガイド
第2回 Episode16「ガラモンの逆襲」

氷川竜介

氷川竜介 ひかわ・りゅうすけ

1958年兵庫県生まれ。明治大学大学院 特任教授。東京工業大学卒業後、メーカー勤務を経て2001年に文筆家として独立。文化庁メディア芸術祭審査委員、毎日映画コンクール審査委員、東京国際映画祭プログラミング・アドバイザーなどを歴任。主な編著等:「20年目のザンボット3」(太田出版)、「日本特撮に関する調査報告書」(文化庁)、「ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ」(カラー)など。

解説

 『ウルトラQ』全話中、ペギラとガラモンは2回ずつ登場する。両者とも再登場時は「怪獣による都市破壊」を徹底的に行う。高度成長期、急激な近代化による景観の変化に不安を抱く当時の大衆にとって、都市破壊は大きなカタルシスだったのだ。
 初登場編「ガラダマ」(放送第13話)で描かれた「小型電子頭脳の誘導電波で作動する侵略ロボット」というガラモンの基本設定をふまえ、量産兵器として送りこまれる日が来た。そのスケールアップの感覚がすばらしい。第13話から第16話のブロックは2本のガラモン回の間にペギラ再登場回、カネゴン登場回がはさまる形で構成され、「ウルトラ怪獣の魅力」を視聴者に焼きつけることに貢献した。同時に「シリーズ初の本格的な宇宙人登場回」という点でも要注目だ。チルソニア遊星人Qを昆虫モチーフの「セミ人間」としてデザインすることで、人間とは根本的に理解しあえない存在を印象づけた。

 物語はソフト帽にコートという怪しい男の登場で始まる。シナリオ上は「遊星人Q」と名づけられている。Qは天体物理学研究所に近づき、小型の機械エスパライザーで第2研究室内にある金庫のダイヤル錠を遠隔操作し始めた。中に厳重管理されていたガラダマは、警備員の目の前で浮かぶとガラスを割って外へ飛び出し、ほくそ笑みながら歩く男に随伴する。オープニングのラストでカメラは宇宙へ移動して、9個の隕石をとらえる。
「大宇宙のしじまを破って飛ぶ巨大な隕石群。人びとはそれをガラダマと呼んで恐れていた。ロボット怪獣ガラモンを積んだガラダマが、青い地球に向かって飛んでいるのです」石坂浩二による冷静なナレーションが、この先に待つ恐怖を予感させる。

 金城哲夫の脚本、野長瀬三摩地監督の演出は「宇宙侵略」と「追跡劇」を併走させながら、観客の感じた破局への予感をクールに高めていく。電子頭脳をチェロのケースに隠し、トラックに便乗して東京から北北西、群馬県西部の榛名(はるな)湖へと移動する遊星人Q。電波管理所の花沢主任とともに電子頭脳の行方を追うレギュラー3人。だが無情にも追跡は間に合わず、ガラダマは東京の都心部へ続々と落下していった。