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怪獣プロファイル

怪獣プロファイル
ケース22「ザラガス」

秋廣泰生

秋廣泰生 あきひろ・やすお

1967(昭和42)年生まれ。鹿児島県出身。
1980年代後半より、円谷プロ製作部/営業部でウルトラマンシリーズや円谷プロ作品を収録した黎明期のビデオ、レーザーディスクの制作(本編映像完パケ/映像特典、封入解説書執筆ほか印刷物全般)を担当。以降、円谷プロ作品のCD制作(曲構成・封入解説書執筆)、DVD制作(映像特典構成・演出、封入解説書執筆)に携わる。
CSファミリー劇場にて放送された、当時のスタッフや出演者をゲストに作品を紹介していく番組『ウルトラ情報局』では全話の構成・演出を担当。
その他、『バラサでブースカ』『ウルトラマンボーイのウルころ』『ウルトラマン列伝』で番組の構成・演出を、『帰ってきたアイゼンボーグ』ではドキュメンタリーパートの監督を務めた。
現在も、ウルトラマンシリーズや円谷プロ作品のCD、DVD、Blu-rayほか封入解説書執筆や、映像特典制作、書籍の執筆などを手掛けている。

ザラガスは攻撃を受けると体質変化を起こし、ダメージを受けた攻撃に対する耐性を身につけてしまう特殊能力を持つ。出現当初は背中と頭に硬い甲羅を備えていたが、ジェットビートルによる〈ウルトラ十文字作戦〉の攻撃を受け、甲羅が外れてザラガス・フラッシュを放てる様になった。

擬似科学への入り口に立つ怪獣 その名はザラガス

 筆者にとって変身怪獣ザラガスと言えば、何かと楽しい思い出の多い怪獣だ。
 ザラガスとのファースト・コンタクト(と認識している出来事のひとつ)は、幼稚園への入園前の頃にさかのぼる。どの本であったか記憶は定かで無いが、小学舘の怪獣図鑑系出版物で、初めてザラガスなる怪獣の存在を知った時のこと。ザラガスは〈背中から「ザラガス・フラッシュ」という、6000万燭光(または6000万カンデラ)の強烈な光を発する〉との件に「ショッコウ?」「かんでら?」と、初めて目にした用語に釘付けとなってしまった。もちろん、初めて知る光度の単位である。

 もっとも、そうした光に絡んだ単位では〈ワット〉(正確には電力を表す単位:Watt )は、既に意識の中にあった。自宅の明かりである電球や蛍光灯の“ワット数”は、幼いながらに、なんとなく耳にしていたし、それよりも何よりも「ウルトラマンの歌」には“100万ワットの輝きだ♪”と唱われているから、何の先入観も無いままに“ワット”と“光”が結び付いていたのだ。

 とは言え、3才だか4才の頃だかの幼児に“単位”といった概念など頭の中にあるべくも無い。つまりは、そこにある情報を咀嚼も理解も無く、あるがままに受け取っていただけの話なのだが、それは今にして思えば、筆者が怪獣の設定に、空想の産物である怪獣と、現代科学との接点となる《擬似科学性》を見出した最初のケースと言えるもので、なるほど、だから「ザラガス・フラッシュ」とか「6000万燭光」の響きには、なんだかワクワクしてしまうのねと、うれしい再発見をしてしまった。そういえば〈フラッシュ (Flash/この場合はまさに“閃光”の意味)〉も、この時に初めて知った単語だった(笑)。

 なお、今回改めて調べてみると〈燭光〉という表現は日本独自のもので、現在では一般的なものではないらしい。国際単位として定義が明確化した〈カンデラ (Candela) 〉が正しいのだが、個人的には〈燭光〉の響きがカッコよく染み付いているので、プライベートでは、これからも〈燭光〉を優先することにしようっ(笑)。