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円谷怪獣のひみつ

円谷怪獣のひみつ
第20回「宇宙人」でなく「星人」と呼ばれて

切通理作

(撮影・杉本晋一)

切通理作 きりどおし・りさく

1964年、東京都生まれ。文化批評。『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』『怪獣少年の<復讐> 70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)『山田洋次の<世界>』(ちくま新書)『ポップカルチャー・若者の世紀』(廣済堂出版)『失恋論』(角川書店)ほか多数。『宮崎駿の〈世界〉』(現ちくま文庫)でサントリー学芸賞受賞。2013年12月より、日本映画批評メルマガ『映画の友よ』(夜間飛行)を配信中。それが昂じて初監督作品『青春夜話 Amazing Place』(アルバトロスよりDVD化)、責任編集の雑誌『シネ★マみれ』を作る。

 『帰ってきたウルトラマン』のしめくくりである第39~51話(最終回)は、比重が、宇宙人と怪獣のタッグによる挑戦の回に置かれている。その前の第37・38話で、郷の恋人・アキと、その兄である坂田 健が宇宙人に殺され、弟の少年・次郎のみが遺されたという悲劇を描いたためか、以後最終回までのドラマから、それまでのシリアスさはなりを潜め、ライトで、屈託のないテイストが主流となっており、コミカルな展開を前面に押し出した回も目立つ。
 かといって、宇宙人の侵略や怪獣出現、そしてそれを支える、特撮含め演出の創意工夫は少しも減じることなく、最後まで視聴者を楽しませた。この時期、視聴率は常時30パーセント前後を行き来し、次番組『ウルトラマンA』にタスキをつないだのである。
 さて今回も、各回の宇宙人と怪獣のありようを振り返るところから始めたい。