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『ウルトラQ』エピソードガイド<br>第3回 Episode14「東京氷河期」

『ウルトラQ』エピソードガイド
第3回 Episode14「東京氷河期」

氷川竜介

氷川竜介

氷川竜介

氷川竜介 ひかわ・りゅうすけ

1958年兵庫県生まれ。明治大学大学院 特任教授。東京工業大学卒業後、メーカー勤務を経て2001年に文筆家として独立。文化庁メディア芸術祭審査委員、毎日映画コンクール審査委員、東京国際映画祭プログラミング・アドバイザーなどを歴任。主な編著等:「20年目のザンボット3」(太田出版)、「日本特撮に関する調査報告書」(文化庁)、「ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ」(カラー)など。

解説

 羽田空港へ着陸寸前の1030便は、フラップの制御不能に陥って空中で発火し、滑走路へ落ちて大爆発を起こした。緊急車両が出動する中で大空に黒煙がよぎり、空港全域は一瞬にして氷結、全機能を停止してしまった。
「1万年に一度、地球には異常な低温の年が巡ってくると言われています。真夏の暑いある日、突然雪が降り、水が凍り始めたら、いったい何の前ぶれでしょうか。今日は真夏に訪れた、寒い寒い冬のお話です」
 このナレーションで幕を開ける本エピソードは、冷凍怪獣ペギラの再登場編である。二足歩行で長い尾をもつペギラはゴジラの系譜に連なる王道の怪獣で、放送前年には月刊誌「ぼくら」や週刊誌「少年マガジン」の表紙を飾り、独特の存在感で大きな注目を集めていた。「スター級怪獣」が第5話に続いて登場し、子どもたちの心はときめいた。

 上野駅で秀山記者とともに記事の題材を探していた由利子は、秋田から出稼ぎに来て戻らない父を探して上京したという治男少年と出会う。同じころ、万城目と一平はセスナ機内に酒の臭いを漂わせて熟睡する中年男を発見した。所持していた季節労働手帳から、彼こそが治男の父ではないかと暗示されている。
 治男を記事にしようと社に戻った由利子は、デスクから羽田空港氷結の原因を探るよう命じられ、星川航空へ取材に出向く。かつて南極へ行った経験のある万城目は、東京を包む異常低温の原因が、冷凍怪獣ペギラによるものと推察していた。南極が暖まりすぎた結果、北極へ引っ越そうとして、その途中で東京へ立ち寄ったのではないかというのだ。予想が的中し、ペギラは毎日新報社付近の都心に突風とともに出現する。