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『ウルトラQ』エピソードガイド第4回 Episode20「海底原人ラゴン」

『ウルトラQ』エピソードガイド
第4回 Episode20「海底原人ラゴン」

氷川竜介

氷川竜介

氷川竜介

氷川竜介 ひかわ・りゅうすけ

1958年兵庫県生まれ。明治大学大学院 特任教授。東京工業大学卒業後、メーカー勤務を経て2001年に文筆家として独立。文化庁メディア芸術祭審査委員、毎日映画コンクール審査委員、東京国際映画祭プログラミング・アドバイザーなどを歴任。主な編著等:「20年目のザンボット3」(太田出版)、「日本特撮に関する調査報告書」(文化庁)、「ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ」(カラー)など。

解説

 今回は「深海」という人間の手が届かない世界——そこに拡がる《生命の神秘》に迫るエピソードである。
 関デスクは、由利子に海底火山爆発の取材を命じた。さらに岩根島にいる海洋地質学者の石井博士を取材するように指示し、そこから物語は大きく進展していく。その石井博士は「日本が海の中へ沈む」という危険性を示唆した論文により学界を追放された人物で、妹の文子と由利子は旧知の仲でもあった。

 一平はヘリコプターで帰投し、万城目と由利子が島に残った。石井博士は岩根島が海に沈む可能性を案じ、海底火山の調査を漁業組合にかけあっていたが、どうしても了解が得られない。しかし漁師の川崎と利夫が独断で海底火山に近づき、その附近でゼラチン状の小さな怪物体を拾ったというのだ。博士がその軟質の物体を調査のために借り出してから、島に事件が起き始めた。利夫が怪しい手によって海へ引きずり込まれて衝撃で正気を失ってしまった。

 石井博士の分析が進むにつれ、恐るべき真相が明らかになっていく。その物体は、約2億年前、地球を支配していた海底原人ラゴンの卵ではないかというのだ。問題は海底下5千メートルに棲息するはずのラゴンの卵が、なぜ現れたかだ。火山口は深度千メートルと推定される。本来ラゴンのいる深い方から浅い方へと転がっていったのではないか。それこそが博士が論文で予告していた地殻変動の証拠であり、噴火もその現象のひとつだとすると、島の沈没は間近に迫っているはずなのだ。