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TRI-SQUAD NOVEL SERIES From TRI-SQUAD VOICE DRAMA 第3回 負け犬の子

連載小説
TRI-SQUAD NOVEL SERIES
From TRI-SQUAD VOICE DRAMA
第3回 負け犬の子

鶴田幸伸

イラスト 後藤正行

 ❶

 生き物には器がある。
 その器以上のものを詰め込もうとすれば、器は壊れるだけ。
 自分の器の大きさを見極めるのも、一つの才能だ。

 俺はそう言い聞かされて育ってきた。
 まるで、多くの偉業を成し遂げた偉人の明言みてーじゃないか。でも、その言葉を口にしたのが何者なのか知ったら、きっと笑うぜ。

「すまんが、道案内をお願いしたい」
 そいつが話しかけてきた時、俺は正直戦う気満々だった。なんたって、口元には牙らしきものが覗いていたし、首元にはエラのような切れ目が幾筋か通っていて、腕は四本。ぱっと見、完全にバケモノだ。