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タカハシヒョウリのウルトラマンは電子コラムの夢を見るか?

タカハシヒョウリの“ウルトラマンは電子コラムの夢を見るか?”
第8回「空想科学 かいじゅうのすみか 体感エンターテイメント」
内覧会レポート

タカハシヒョウリ

タカハシヒョウリ たかはし・ひょうり

ロックバンド「オワリカラ」のボーカル・ギターであり、ソロ、楽曲提供、プロデュースなど様々なスタイルでも活動する音楽家。また、自身の「特撮愛」が高じて、特撮音楽をバンドサウンドで表現する「科楽特奏隊」を仲間たちと結成。MVでウルトラセブンと共演、「おはスタ(テレビ東京)」に出演も果たす。
その様々な文化への深い造詣と偏愛から、カルチャー系媒体への連載やコラム寄稿、番組出演など多数。
twitterアカウント @TakahashiHyouri

子供の頃、怪獣図鑑を見ると、名前や身長のデータと一緒に「足型」というのが載っていた。
怪獣の足跡が印刷されていて、今思うとちょっと不思議な要素だが、当時はワクワクして見ていた。
そもそも生き物の足型の全部が全部、そんなに違いがあるわけがないのだが、怪獣の足型はどれも個性的だった。
足の裏でまで、「おれはおれだ」と主張しているようだった。

なぜ、人は「怪獣」に惹かれるのだろう。
僕にとっては、ウルトラマンは憧れのヒーローだったが、怪獣はもっと身近なものだった。
怪獣たちは、みんな違う姿をしていて、違う鳴き声で鳴き、違うバックグラウンドを持っている、「個性的な友達」のような存在だった。
人気怪獣はスターのようだったし、マニアックな怪獣は自分だけが知っているようで嬉しかった。
可愛いやつもいれば、かっこいいやつもいるし、不気味で奇妙な怪獣も、ゆるくてダメな怪獣もいて、それぞれの「違い」に魅力を感じた。
絵を描いたり、歌を歌ったりするのが好きだった自分は、とにかくスポーツが苦手で、みんなと一緒にボール遊びをしたり、追いかけっこをするのが嫌だった。
ウルトラマンの話で盛り上がっても、人数が集まるとみんな外に遊びに行ってしまう。
僕は、部屋に残って怪獣の絵を描いて遊んでいた。
どこかで感じていた疎外感を、怪獣たちが表現してくれていたのかもしれない。
怪獣たちは、「きみはきみだ」と伝えてくれた。