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円谷特撮メカ 第8回 ZAT(宇宙科学警備隊)所属 アイアンフィッシュ

円谷特撮メカ
第8回 ZAT(宇宙科学警備隊)所属 アイアンフィッシュ

ウルトラマンシリーズ史上、屈指のユニークさ

円谷プロ作品の中で様々な形で描かれてきた、ファンの胸に強く残っている忘れじの「メカニック群」の数々。それらの魅力を改めて追及・検証してみようという本コラム、その第8回は、1973年オンエアの『ウルトラマンタロウ』に登場の、特殊潜航艇・アイアンフィッシュを取り上げる。

本コラム第4回で採り上げたMAC(宇宙パトロール隊)所属のマックモールに次ぎ、またも<幻のメカニック>に近い領域のメカニックに触れるが、マックモールの時に使った文言をまたここでも繰り返させていただく。確かにアイアンフィッシュは劇中映像内での活躍がなく、オープニング映像中にその姿が確認できるばかりで、その他には第51話「ウルトラの父と花嫁が来た!」において、ZATの南原隊員のもとを、母のたか、南原の許嫁である珠子が訪ねてきたおり、ZAT本部の応接室にそのミニチュアが飾られていた、ということが記憶される…というぐらいだろうか(そのミニチュアの大きさから推しても、この場面用の装飾として作り起こされた物ではなく、やはり撮影に用いられたミニチュアをそのまま飾りとして配したものと考えるほうが妥当であろう)。そういった特例を除き、『ウルトラマンレオ』のマックシャーク同様、オープニング映像のみにその活躍をとどめることになったアイアンフィッシュだが、たとえ<幻のメカニック>のカテゴリーに収められようとも、語ることが皆無というわけではない。まして、アイアンフィッシュは決して幻などではない。

語るまでもなく、ZATメカはウルトラマンシリーズ史上、屈指のユニークさを誇る。その奇抜さは円谷プロのメカニック史においても群を抜いている。思えば、ことウルトラマンシリーズのメカニックの創造は、常に現用兵器のリアルさにどこまで寄せるのか、どのぐらい掛け離れるか、の葛藤の中にあったように思う。その中で、MATやUGMのメカのように、思い切りリアルに寄せつつもちょっとだけ空想性をまぶして成立させたものもあれば、科学特捜隊のメカのように、ある程度は現実感を維持しつつもそのリアルを未来的感覚の中で処理して空想性を保障したものもあった。しかし、ことZATメカに関しては、リアルさとか空想性を超えた、突き抜けた立体物としての魅力があった。そうなった要因として考えられるものの一つは、「玩具的な見栄え」が企図されたことにあるのではないか。