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怪獣プロファイル ケース2「ガラモン」

怪獣プロファイル
ケース9「ベムラー」

秋廣泰生

秋廣泰生 あきひろ・やすお

1967(昭和42)年生まれ。鹿児島県出身。
1980年代後半より、円谷プロ製作部/営業部でウルトラマンシリーズや円谷プロ作品を収録した黎明期のビデオ、レーザーディスクの制作(本編映像完パケ/映像特典、封入解説書執筆ほか印刷物全般)を担当。以降、円谷プロ作品のCD制作(曲構成・封入解説書執筆)、DVD制作(映像特典構成・演出、封入解説書執筆)に携わる。
CSファミリー劇場にて放送された、当時のスタッフや出演者をゲストに作品を紹介していく番組『ウルトラ情報局』では全話の構成・演出を担当。
その他、『バラサでブースカ』『ウルトラマンボーイのウルころ』『ウルトラマン列伝』で番組の構成・演出を、『帰ってきたアイゼンボーグ』ではドキュメンタリーパートの監督を務めた。
現在も、ウルトラマンシリーズや円谷プロ作品のCD、DVD、Blu-rayほか封入解説書執筆や、映像特典制作、書籍の執筆などを手掛けている。

唯一無二の
“第1話登場怪獣“

 ウルトラマンシリーズや円谷プロ作品の大好きな方ならば、一度は「特撮監督になりたい!」という夢を思い描いたのではないだろうか? かく言う筆者も、そんなひとりである。当初は…こんなヒーローや怪獣を登場させたい! こういうメカ描写をやりたい! あんな光線はどうだろう!? …と、とめどなく夢が広がっていったが、やがてはそれ以上に、実際の完成作品から様々に解析を試み、演出を研究する様になっていった。つまり…なぜこういう怪獣なのだろう? なぜこういうカットなのだろう? なぜこういうバトルなのだろう? …といった具合である。
 そうした中で、個人的に最も興味深い感触を得ているのが『ウルトラマン』第1話「ウルトラ作戦第一号」に登場する、宇宙怪獣ベムラーという存在である。『ウルトラマン』は、モノクロ作品である『ウルトラQ』からのステップアップとして、文字通り“ウルトラマン”という巨大ヒーロー要素が追加されることになる。そうなると、ウルトラマンは間違いなく主役である一方、怪獣がより魅力的でなければ、ウルトラマンの活躍が引き立たない。これはアニメでも実写でも同様に、ドラマの主役と脇役の関係性と全く同じ話である。映像作品のセオリーであるとも言っていいだろう。
 ましてベムラーは、そもそも何者であるのか、素性も特徴も能力も、日本中の視聴者のまだ誰もが知らない“ウルトラマン”を、敵役の立場から認知させ、昇華させていかなければならない、重大な役目を担わされていたと考えられるのではないだろうか。